2012年3月29日木曜日

さとうねずみのケーキ












「さとうねずみのケーキ」(ジーン・ジオン/文 マーガレット・ブロイ・グレアム/絵 わたなべしげお/訳 アリス館 2006)

昔、トムという名前のケーキ職人が、王様のお城の台所ではたらいていました。トムはすぐれたケーキ職人でしたが、それを知っているひとはだれもいませんでした。というのも、まだ見習いのトムは、けっしてケーキを焼かせてもらえなかったからです。

夜、みんなが台所から引き上げると、トムは小麦の貯蔵庫にすむ白いネズミのティナのために、小さいケーキをいくつか焼いてやります。ティナはとても賢いネズミで、トムが「そらいけ」というと、とんぼ返りをし、「とまれ」というと、ぴたっと止まり、オルゴールを鳴らすと踊りだします。そして、ある日、「料理長が来週をもって引退することになったため、料理人のケーキコンテストをすることになった」と、台所に王様のおふれが貼りだされ──。

「どろんこハリー」で高名な、ジーン・ジオンとマーガレット・ブロイ・グレアムの夫妻よる絵本です。このあと、ケーキコンテストのために、トムは白砂糖のネズミをたくさん飾った、立派なケーキをつくります。ですが、同僚たちの悪ふざけのために、ケーキのてっぺんにいたネズミの女王がこわれてしまいます。そこで、トムはティナを女王の代わりにして…とお話は続きます。少し長めのお話ですが、ケーキの上のティナがこれからどうなってしまうのかと、最後まで手に汗握って読むことができる、読物絵本です。小学校低学年向き。

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