2012年3月13日火曜日

なみにきをつけてシャーリー










「なみにきをつけてシャーリー」(ジョン・バーニンガム/作 へんみまさなお/訳 ほるぷ出版 2004)

シャーリーは、お父さんとお母さんと一緒に海辺にやってきました。「水が冷たくて、とても泳げないわよ」と、お母さんはいいました。「どうして、あの子たちの仲間に入らないの?」「気をつけて、新しい靴を汚いタールで汚しちゃだめよ」。お母さんがそういっているあいだに、シャーリーはボートをこいで、沖にいる海賊船に乗りこんで──。

とても実験的な作風の絵本です。左ページには、海辺で編み物をしたり、新聞を読んだりする、お母さんとお父さんがいます。そのページにはお母さんのセリフと思われる文章が記されています。そして、右ページには、シャーリーが飼い犬と一緒に、海賊たちと大立ち回りを演じたり、財宝を掘りだしたりする様子がえがかれます。おそらく、右ページにえがかれているのは、シャーリーが海辺でやっているひとり遊びなのでしょう。この絵本を子どもたちに読んでみると、子どもたちもすぐ「こっちは女の子の遊びなんだよ」などといいだします。子どもの想像力にたいする信頼に満ちた一冊といえるでしょうか。姉妹編に「もうおふろからあがったら、シャーリー」(童話館 1994)があります。小学校低学年向き。

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