2011年12月2日金曜日

ピエールとライオン












「ピエールとライオン」(モーリス・センダック/作 じんぐうてるお/訳 富山房 1986)

ある朝、お母さんはピエールに、「おはよう、ぼうや、私の宝」といいました。すると、ピエールは、「ぼく、知らない!」といいました。お母さんが、「なにが食べたい?」と訊いても、「後ろむきに腰かけちゃだめ」といっても、ピエールは「ぼく知らない!」というばかり。とうとう、お母さんはピエールを置いて出ていってしまいました──。

本書の副題は、「はじまりのうたといつつのおはなし」。「はじまりのうた」というのは、本書の内容をうたにしたものです。引用してみましょう。

《おとこのこが ひとり
 なまえは ピエール
 このこが いうのは ただひとつ
 「ぼく知らない!」
 どうぞ みなさん およみなさい
 きちんと よめば
 おしまいに
 ためになること かいてある》

「いつつのおはなし」とあるように、お話はぜんぶで5章に分かれています。このあと、お父さんがピエールのご機嫌をとろうとするのですが、上手くいかず、お母さんと一緒にでていってしまい、するとピエールのところにライオンがやってきて…と物語は続きます。センダックの芝居がかった絵が、お話を楽しい読みものにしています。小学校低学年向き。

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