「いろいろへんないろのはじまり」(アーノルド・ローベル/作 まきたまつこ/訳 富山房 1977)
ずっと昔、色というものはありませんでした。ほとんどが灰色で、さもなければ黒か白でした。「灰色の時」と呼ばれていたそのころ、ひとりの魔法つかいが毎朝窓を開けては、「世の中なにかまちがっとる」といっていました。「これでは、雨がやんでも、日が照っても、さっぱりわからんじゃないか」
魔法使いは、これをちょっぴり、あれをぴょっぴりかき混ぜて、青色をつくりだします。おかげで、世界中が青色の、「青色の時」がはじまります。ですが、どこもかしこも青いため、やがてみんなは悲しい気持ちになってしまい、そこで魔法使いはふたたび、これをちょっぴり、あれをひょっぴり、かき混ぜて──。
「星どろぼう」や「がまくんとかえるくん」シリーズで高名な、アーノルド・ローベルによる絵本です。最初、「灰色の時」では白黒なのですが、「青色の時」になると、青色がつかわれます。その後、話の進展にあわせて、色が増えていくという趣向がとられています。このあと、「黄色の時」があり、「赤の時」があるのですが、どちらもうまくいきません。そのとき、たまたま青と赤と黄色が混ざりあって…とお話は続きます。いかにも画家らしい発想でえがかれた一冊です。小学校低学年向き。
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