「ピーターのとおいみち」(バーバラ・クーニー/絵 リー・キングマン/文 三木卓/訳 講談社 1997)
ピーターは森のなかに住んでいました。ピーターには、ネコやイヌやヒツジやアヒルがいましたが、一緒に遊べる男の子や女の子はいませんでした。「5つになったら、村の学校へいくことになるの。そうしたら、毎日一緒に遊べる友だちができるわよ」と、お母さんはいいました。
ある春の日、とうとう5つになったピーターは、願いごとをしながらケーキの上のロウソクを吹き消します。でも、ぜんぶ消すことはできません。「ぼくのお願いだめなんだよ!」と、ピーターが泣き声になると、お母さんはこういいます。「それはね、放っておいたらうまくいかないっていうだけのことですよ。願いごとは自分でかなえるのよ」
「ルピナスさん」などで名高いバーバラ・クーニーによる絵本です。絵は、おそらく色鉛筆でえがかれたもの。少ない色数で、美しく端正な世界が表現されています。このあと、心をきめたピーターは、村の学校をめざしてひとりで歩きはじめます。最後に、読者はピーターと秘密をともにすることになる、楽しい一冊です。小学校低学年向き。
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