2012年3月14日水曜日

おかあさんとわるいキツネ












「おかあさんとわるいキツネ」(イチンノロブ・ガンバートル/文 バーサンスレン・ボロルマー/絵 つだのりこ/訳 福音館書店 2011)

モンゴルの北の果て、タイガと呼ばれる深い森のなかに、トナカイを飼って暮らしているひとたちがいました。そこには、人間の赤ちゃんを狙う悪いキツネたちも住んでいました。あるとき、1匹のキツネがオルツ(トナカイを飼って暮らしているひとびとの家)をのぞきこみました。でも、赤ちゃんのそばにはお母さんがいたので、キツネは森のなかへ帰っていきました。

さて、お母さんがトナカイの乳しぼりにでかけたのをみて、キツネはこっそりオルツに忍びこみます。ですが、お母さんが帰ってきたのに気がつき、すぐ退散します。いっぽう、お母さんはキツネの毛が落ちているのをみつけ、悪いキツネが赤ちゃんを狙っていることに気がつきます──。

モンゴルを舞台にしたお話です。絵はイラスト風で、しかしよく感情のこもったもの。このあと、お母さんは赤ちゃんがウサギにみえるように化粧をしたり、トナカイにみえるように着ぐるみを着せたりするのですが、キツネはそれを見破り赤ちゃんをさらっていきます。そこで、お母さんはトナカイにまたがりキツネを追いかけて…と、お話は続きます。お母さんの必死の追跡が印象的です。また、活劇のあと、洒落た結末がついています。小学校低学年向き。

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