「こねこのぴっち」(ハンス・フィッシャー/文 絵 石井桃子/訳 岩波書店 1987)
リゼットおばあさんの家に住む、子ネコのピッチは、ほかの子ネコのように、とっくみあったり、毛糸玉にじゃれたりしませんでした。そんなことより、もっと別のことがしたかったのです。「オンドリになりたいなあ!」と思ったピッチは、オンドリ父さんのあとをついていき、2本足でけっこう上手に歩けるようになりました。それから、エサをつつくことをおぼえ、オンドリ父さんに負けないくらい大きな声で、「こけこっこう!」と鳴けるようになりました。
でも、オンドリ父さんがとなりのオンドリとけんかをはじめると、ピッチはそこから逃げだします。次に、ヤギを出会ったピッチは、「ヤギになってみたいなあ!」と思い──。
いろんなものになりたいと思う、子ネコのピッチのお話です。絵は、生き生きとした描線に、少しだけ色づけしたもの。このあと、ピッチはアヒルやウサギになりたいと思うのですが、うまくいきません。そして、夜をウサギ小屋ですごすことになり、大変怖い思いをして、具合を悪くしてしまうのですが…と、お話はまだまだ続きます。フィッシャーの代表作。古典的名作の一冊です。小学校低学年向き。
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