「かばくん」(岸田衿子/文 中谷千代子/絵 福音館書店 1966)
朝、男の子はカメを連れて動物園にやってきました。カメはカバと一緒に動物園で一日をすごします。子どもたちが大勢見物にきて、カバはキャベツを丸飲みにします──。
カメがカバと一日をすごすという絵本です。文章は、詩でで表現されています。冒頭を少し引用してみましょう。
〈どうぶつえんに あさが きた
いちばん はやおきは だーれ
いちばん ねぼすけは だーれ
おきてくれ かばくん
どうぶつえんは もう11じ
ねむいなら ねむいと いってくれ
つまらないから おきてくれ〉
詩にはほとんど主語や目的語がありません。でも、絵をみると、だれがだれにいっているのか、なんとなくわかります。これは見事な構成のためでしょう。絵は、おそらく油絵。カバの量感や、色であわらされた一日の移り変わりなどが、たくみに表現されています。リズミカルな詩とともに、何度も読み返したくなる一冊です。幼児向き。
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