「おはなしばんざい」(アーノルド・ローベル/作 三木卓/訳 文化出版局 1977)
木の下で本を読んでいたネズミは、イタチに捕まってしまいました。イタチがネズミをお鍋に入れると、ネズミが「待って!」といいました。「このスープはおいしくならないよ。だって、お話ってものを入れてないもの」。そして、お話なんかもっていないというイタチの代わりに、ネズミはお話をはじめました。
イタチに捕まってしまったネズミが、機転をきかせ、お話をつかってそこから逃れるという絵本です。ネズミがするお話はぜんぶで4つ。
「みつばちとどろんこ」
「ふたつのおおきないし」
「こおろぎ」
「とげのあるき」
最初のお話、「みつばちとどろんこ」を紹介しましょう。ネズミの男の子が森を歩いていると、木の上からミツバチの巣が落ちてきて、頭の上に乗っかってしまいました。「きみら、どこかへいっってくれよ。ぼくは頭のてっぺんにハチの巣なんか乗っけておきたくないんだから」。でも、ミツバチたちは、「ずっとここにいるよ」というばかり。男の子はミツバチの巣を頭に乗せたまま、泥の沼にくるといいました。「ぼくも巣をもってるんだ。つまりぼくんちさ。きみたち、ずっとそこにいるなら、一緒にぼくんちにきてもらわなきゃ」。そして、ネズミは泥のなかへ入っていき──。
そして、4つのお話が終わったあと、ネズミがうまくイタチから逃れるさまがえがかれます。小学校低学年向き。
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