「ピエールとライオン」(モーリス・センダック/作 じんぐうてるお/訳 富山房 1986)
ある朝、お母さんはピエールに、「おはよう、ぼうや、私の宝」といいました。すると、ピエールは、「ぼく、知らない!」といいました。お母さんが、「なにが食べたい?」と訊いても、「後ろむきに腰かけちゃだめ」といっても、ピエールは「ぼく知らない!」というばかり。とうとう、お母さんはピエールを置いて出ていってしまいました──。
本書の副題は、「はじまりのうたといつつのおはなし」。「はじまりのうた」というのは、本書の内容をうたにしたものです。引用してみましょう。
《おとこのこが ひとり
なまえは ピエール
このこが いうのは ただひとつ
「ぼく知らない!」
どうぞ みなさん およみなさい
きちんと よめば
おしまいに
ためになること かいてある》
「いつつのおはなし」とあるように、お話はぜんぶで5章に分かれています。このあと、お父さんがピエールのご機嫌をとろうとするのですが、上手くいかず、お母さんと一緒にでていってしまい、するとピエールのところにライオンがやってきて…と物語は続きます。センダックの芝居がかった絵が、お話を楽しい読みものにしています。小学校低学年向き。
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