「ゆきとくろねこ」(竹下文子/作 おおの麻里/絵 岩崎書店 2008)
《なんだろう
あさから おちつかない
うちの なかは しずかだ
でも なんとなく いつもと ちがう
すずめの うわさでは
なにかが やってくるらしい
とおい きたのくにから くるらしい
でも それは なんだか わからない
きいても おしえてくれない》
──
黒ネコがはじめて雪と出会う絵本です。いつもと同じようでいて、なにかちがうと思い続ける黒ネコは、このあと、とうとう雪に出会います。絵は、シンプルなイラスト風のもの。黒ネコがキャットフードを食べている顔など、よく特徴をとらえています。文章は人称がないため、最初だれが語っているのかと戸惑いますが、読んでいくうちに、黒ネコが語っているのだと察することができます。雪が降るまでの落ち着かなさに、この語り手の不明瞭さも、ひと役買っているように感じられます。小学校低学年向き。
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