2011年12月20日火曜日

ヨリンデとヨリンゲル












「ヨリンデとヨリンゲル」(グリム/原作 ベルナデッテ・ワッツ/絵 おさなぎひとみ/訳 ほるぷ出版 1982)

昔、大きな森の真ん中に古いお城がありました。お城には、年をとった魔女がひとりですんでいました。もし、だれかがお城まであと百歩というところまで近づいたら、魔女はそのひとに魔法をかけて、身うごきがとれないようにしました。また、お城に近づいたのが若い娘なら、魔女はこの娘を小鳥の姿に変え、かごに閉じこめてお城につれていきました。お城には、そんな小鳥の入った鳥かごがもう7千個もありました。

さて、ある日のこと、もうすぐ結婚することになっていた娘のヨリンデとその恋人のヨリンゲルは、二人きりになりたくて、森に入っていきました。ところが、二人は知らないうちにお城に近づきすぎてしまいました。それまで歌をうたっていたヨリンデは、ヨナキウグイスの姿になって、「ツィキュート! ツィキュート! ツィキュート!」と叫びました。そして、フクロウに化けた魔女があらわれ、ヨナキウグイスを捕まえていきました。

グリム童話をもとにした絵本です。このあと、身うごきがとれなくなっていたヨリンゲルは、魔女に魔法を解かれます。しかし、ヨリンデは返してもらえそうになく、打ちひしがれたヨリンゲルは、知らない村で羊の番をして暮らしはじめます。ある晩、ヨリンゲルは夢をみます。それは、赤い花の力により魔法が解けるという夢で、目を覚ましたヨリンゲルは花をさがしにでかけて…と物語は続きます。ワッツの初期の作風である、暗く神秘的な絵が魅力的な一冊です。小学校低学年向き。

0 件のコメント:

コメントを投稿