2011年12月5日月曜日

はい、このひとがママです!

「はい、このひとがママです!」(ダイアン・グッド/作 なかやまのぶこ/訳 文化出版局  1992)

駅に着いたとき、急に風が吹いてきて、ママの帽子がどこかに飛んでいってしまいました。ママは、「帽子をさがしてくるわ。ここからうごいちゃダメよ」と、子どもたちにいいました。

こうして、姉弟はママを待ちますが、ママはなかなかもどってきません。泣いていると、おまわりさんがやってきて、「ママはどんなひと?」と訊いてきます。「ママは世界中でいちばんきれいなひと」とこたえると、おまわりさんは、「一緒にさがしにいこうね」と姉弟を連れて、ママをさがしにでかけます――。

ママとはぐれてしまった姉弟が、ママをさがすお話です。このあと、ページをめくるたびに、姉弟は女のひとと対面します。まず最初はお金持ちのご婦人。「ママはとっても力もちなの。自分の荷物は自分ではこべるわ」。で、次の場面はキオスクの前。新聞を肩にのせたお姉さんに、「ママは新聞を読まないの。本が好きなの」。そこで、次は本屋さん。「ママはひそひそ話なんてしないもの。みんなママの声は素敵ねってほめてくれるの」。そして、次は劇場へ…と物語は続きます。絵は水彩。駅をゆきかう群集がみごとにえがき分けられています。おまわりさんと姉弟がママをさがす場面では、よく見るとママの姿が見受けられます。じつは、姉弟とママはいきちがってばかりいたのだとわかる仕掛けになっています。小学校低学年向き。

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