「フロプシーのこどもたち」(ビアトリクス・ポター/作 いしいももこ/訳 福音館書店 2002)
ベンジャミンバニーは大人になると、いとこのフロプシーと結婚しました。2人には子どもがたくさんできました。ベンジャミンの家にはいつも食べものが充分あるというわけにはいかなかったので、キャベツ畑をもっているフロプシーの兄弟のピーターのところへ、ちょいちょいキャベツを借りにいきました。けれども、ときにはピーターのところにも、分けてやれるキャベツのないときがありました。そんなとき、フロプシーの子どもたちは、草原を越えて、マクレガーさんのところのごみ捨て場にでかけました。
こうして、ある日、フロプシーの子どもたちはマクレガーさんのところのごみ捨て場で、嬉しいことに、花が咲いてしまって捨てられたレタスにありつきます。ところが、レタスは食べすぎると、ウサギにとって睡眠藥になるのです。眠気におそわれたベンジャミンとその子どもたちは、その場で眠りこけてしまい、それをみつけたマクレガーさんは、子ウサギたちを袋に入れて──。
おなじみ、ピーターラビット・シリーズの一冊です。シリーズ3冊目の本書は、ベンジャミンバニー一家についてえがかれます。このあと、袋に入れられてしまった子ウサギたちは、たまたま出会ったネズミの、トマシナ・チュウチュウによって助けだされます。そして、袋には代わりに野菜の芯などを入れておき、これからどうなるのか、袋を運ぶマクレガーさんのあとをついていきます。ベンジャミンがピーターのところにキャベツを借りにいく場面では、ピーターの奥さんがスカートを広げてキャベツを隠している絵がえがかれています。ピーターラビット・シリーズには、こんな風に文章と絵がちがうことがあって、物語をより味わい深いものにしています。小学校低学年向け。
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