「ヘンゼルとグレーテルのおはなし」(グリム/原作 バーナデット・ワッツ/作 福本友美子/訳 Bl出版 2006)
大きな森のそばに、貧しい木こりが、おかみさん2人の子どもと一緒に住んでいました。子どもは、お兄さんがヘンゼルで、妹がグレーテルといいました。おかみさんは、木こりの2度目の奥さんで、子どもたちの本当のお母さんではありませんでした。ある年のこと、ひどい飢饉にみまわれ、食べものはほんのわずかなパンだけになってしまいました。「これから、子どもたちをどうやって食べさせていったものか」と、木こりがいうと、おかみさんがいいました。「あした、子どもたちを森へつれていこう。たき火をたいてやり、パンをひと切れずつもたせておいてきちまえばいいさ」。お腹がすいて眠れなかった子どもたちは、この話をぜんぶ聞いてしまいました。
ヘンゼルは泣きだしたグレーテルをなぐさめます。そして、木こりとおかみさんが眠ると、こっそりベッドから抜けだして、白い小石をあつめます──。
ご存知、グリム童話の「ヘンゼルとグレーテル」をもとにした絵本です。このあと、森に置いていかれたヘンゼルとグレーテルは、ヘンゼルが落としてきた白い小石をたどって、ぶじ家にもどります。ですが、それからしばらくたって、また飢饉が起こります。ヘンゼルがこんど落としてきたのはパンだったので、鳥に食べられてしまい、2人は森をさまよって、お菓子の家をみつけて…とお話は続きます。絵は、親しみやすい水彩。ヘンゼルとグレーテルを見守るように、絵のはしばしに小動物がえがかれているのが印象的です。小学校低学年向き。
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