「トム」(トミー・デ・パオラ/作 福本友美子/訳 光村教育図書 2008)
トミーのおじいちゃんは、いつもトミーに、「わたしとおまえは名前がよく似てるだろう? だから、おじいちゃんと呼ばずにトムと呼んでおくれ」といいました。トミーは日曜日になると、パパやママと一緒に、トムとナナ(トミーのおばあちゃん)の家に遊びにいきました。トムは、いつもきまって、大きな声で新聞のマンガを読んでくれました。「どうぶつのおまつり」というトミーのお気に入りの詩を読むときは、身振り手振りをつけました。トムとトミーが笑い転げると、ナナがやってきて、「トム・ダウニー! しょうがないねえ、子どもみたいに!」というのでした。
トムとナナは食料品店をやっています。店にでるのはナナで、トムは奥で肉を切ります。ある日、トムはトミーに、切り落としたチキンの頭をひとつ渡してこういいます。「これを庭に埋めてごらん。3週間絶対さわらずに待っていたら、チキンが生えてくるんだぞ」。そこで、トミーはチキンの頭を庭に埋めるのですが──。
おそらく、作者トミー・デ・パオラの自伝的な絵本です。このあと、トミーは3週間待っていられず、埋めたチキンを掘り返してしまいます。それをトムに告げると、トムはこんど、腱を引っ張ると指が開いたり閉じたりする、チキンの足を2本くれます。トミーはそれをきれいに洗い、お母さんから借りたマニキュアを爪につけ、腱を引っ張る練習をして学校にいき…。いたずら好きのおじいちゃんとの交流をえがいた一冊です。小学校中学年向き。
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