「あおい玉あかい玉しろい玉」(稲田和子/再話 太田大八/絵 童話館出版 2006)
昔、ある山のふもとのお寺に、和尚さんと小僧が住んでいました。寺の裏山には、秋になると栗がたくさん実りました。ある日、夢中で栗を拾っていた小僧は、遠くの山まできてしまい、とうとう日が暮れてしまいました。向こうに明かりがみえたのでいってみると、小さな家があり、おばばが囲炉裏端で背中あぶりをしていました。小僧はおばばに、「今晩ひと晩泊めてくなんせ」と頼みました。
こうして、小僧はおばばの家に泊まることになりますが、モチだといっておばばが差し出したのはカエルですし、また、シラミをとってくれといわれて頭をみると、ミミズやムカデがうようよでてきます。「このおばばは人間ではねえな」と、小僧は怖くなってきて──。
日本の昔話をもとにした絵本です。お話は、「三枚のおふだ」によく似ています。このあと、小僧はおばばと一緒に寝ることになるのですが、便所にいきたいとお願いし、腰に縄をつけられた格好で便所にいきます。小僧は縄をほどいって便所の柱に結び、お祈りをすると、便所の神様があらわれて、小僧に3つの宝の玉をさずけて…と、物語は続きます。文章は、昔話風の語り口調で、冒頭はこんな風です。「むかし、ある山のふもとに お寺があって、おしょうさんとこぞうが、すんでいたって」。小学校低学年向き。
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