「まほうのえのぐ」(林明子/作 福音館書店 1997)
よしみのお兄ちゃんは、絵の具とスケッチブックをもっていました。お兄ちゃんが絵を描いているのをみると、よしみはいつでも、「わたしも絵の具で描きたい」といいました。でも、お兄ちゃんはいつでも、「だめだめ」といいました。ある日、よしみはまた「わたしも絵の具で描きたい」といいました。よしみが絵の具箱をつかんではなさないので、お兄ちゃんは「しょうがないなあ」と、よしみに絵の具箱を貸してくれました。
よしみは、さっそく青、黄色、赤と絵の具をつかってお絵かきをはじめます。が、色が混ざって泥んこのような茶色になってしまいます。パレットと水入れを洗ってもどってくると、よしみの足元からヘビがしゅるしゅるとでてきて、赤い絵の具をくわえて森へ入ってしまいます。「だめ、それはお兄ちゃんのだから」と、ヘビを追いかけて森へ入っていくと──。
左ページに文章があり、右ページに絵がある構成です。絵は素晴らしいできばえで、見飽きることがありません。このあと、森に入りこんだよしみは、動物たちがお絵描きをしているところに出くわします。よしみの姿をみて、動物たちは一度去ってしまうのですが、またもどり、みんなでお絵描きをします。絵本を閉じると、裏表紙によしみの描いた絵があらわれるのですが、となりにシャクトリムシの描いた絵があるのが洒落ています。小学校中学年向き。
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