「よめたよリトル先生」(ダグラス・ウッド/作 ジム・バーク/絵 品川裕香/訳 岩崎書店 2010)
ぼくは、みんなみたいに上手に本が読めない。いつもつっかえてばかりだ。だいたい、ぼくには字がぐにゃぐにゃ曲がった線にしかみえない。でも、リトル先生は、「毎日放課後がんばって勉強しましょう」っていう。先生は、がんばれば絶対読めるようになるというけれど、そんなのよけいなお世話だ。
それでも、〈ぼく〉は毎日、先生と本を読もうとがんばります。読もうとしているのは、ゴールデン・マクドナルドの「The Little Island」。絵本にでてくる島は、おじいちゃんが毎年夏、家族全員をつれていく、ミネソタ州の北カベトガマ湖にある島によく似ています。〈ぼく〉は、夏のキャンプのことを思いだしながら、絵本を読み進んでいきます。
作者の自伝的な絵本です。巻末の著者あとがきによれば、子どものころからADHD(注意欠陥多動性障害)だった著者は、リトル先生やほかの先生、それから家族が辛抱強く手助けしてくれたおかげで、自分の状態を知ることができ、そして、どうすればさまざまなことがうまくやれるのかといった物事への対応の仕方を身につけることができたということです。絵は、リアリティのある厚塗りのもの。〈ぼく〉が読んでいる絵本は、「ちいさな島」というタイトルで邦訳されています。小学校中学年向き。
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