「どろぼうがっこう」(かこさとし/作 偕成社 1978)
山また山の村はずれに、泥棒学校がありました。校長先生は世にも名高い、くまさかとうえもん先生。「泥棒学校の生徒は一生懸命精だして、早くいちばん悪い泥棒になるよう勉強しなければいかんぞ」と、先生がいうと、可愛い泥棒学校の生徒たちは、はーい、へーい、ほーい、わかりやしたー、合点でござんすとこたえました。
くまさか先生は、なにか泥棒をやってこいと宿題をだします。翌日、ネズミ小僧のじろきちがもってきたのは革靴。「ぼくのうちからもってきたんです」。石川のろくでなしは、アリのたまごを30ばかり、ほかの生徒はくまさか先生の金時計や、学校の黒板を泥棒してきます──。かこさとしの、ロングセラー絵本の一冊です。可愛い生徒たちが、やけに凶悪なツラがまえをしているところがおかしいです。このあと、泥棒学校の先生と生徒は遠足にでかけ、金持ち村のいちばん大きなお屋敷に忍びんで…と物語は続きます。最後にちゃんと、「泥棒は引きあわない」というオチがついた楽しい一冊です。小学校低学年向き。
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