「ほしのむすめたち」(マーガレット・ベミスター/再話 羽根節子/訳・絵 福音館書店 2005)
昔、深い森にウォーピーという若者が住んでいました。ある日、けものを追って森のはずれまできてしまったウォーピーは、草の上に輪のような跡がついているのをみつけました。不思議に思ったウォーピーが隠れてみていると、空から美しい歌声とともに、小枝で編んだかごが降りてきました。かごには12人の娘たちが乗っていて、かごが地面に着くと、娘たちは輪にそって踊りだしました。
ウォーピーは、白い服を着た娘が気に入り、飛びだして捕まえようとしますが逃げられてしまいます。次の日、フクロネズミに姿を変えて待ちますが、娘たちに感づかれ、また逃げられてしまいます。その翌日、ウォービーはネズミの家族が住んでいる切り株を輪のそばまではこび、自分もネズミに姿を変えます。空から降りてきた娘たちは、ネズミを踏みつけはじめ、ウォーピーも白い服の娘に踏みつぶされそうになるのですが、そこで人間の姿にもどり、娘を腕に抱きしめます──。
カナダ・インディアンの昔話をもとにした絵本です。このあと、ウォーピーは娘を妻とします。ウォーピーがいつも優しかったので娘も星の世界のことを忘れて、ウォーピーの子どもをもうけます。ところが、ある日、例の輪に入ったところ、娘は星の世界のことを思いだし、かごを編んで子どもと一緒に空に帰ってしまい…と、お話は続きます。日本の「天女の羽衣」といった昔話によく似ていますが、姿を変えることが多いところが少しちがっています。絵は、とても色鮮やかで、緑や夜の匂いが感じられそうです。小学校低学年向き。
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