「ジュリアスはどこ?」(ジョン・バーニンガム/作 たにかわしゅんたろう/訳 あかね書房 1987)
ジュリアスは、食事どきになっても、いつも姿をみせません。朝食はお父さんとお母さんと一緒に食べたものの、椅子3つと古いカーテンとほうきで部屋に小さなうちをつくったので、「サージンをのせたトーストとロールパンにバター、それにトマト、プティング抜き」を食べるどころではないのです。そこで、お父さんのトラウトベックさんは「サージンをのせたトーストとロールパンにバター、それにトマト、プティング抜き」をお盆にのせて、ジュリアスの部屋にもっていきます。
晩ごはんは、「子ヒツジのキャセロールと皮つきのジャガイモと、バターをのせブロッコリと食後のローリーポーリー・プティング」。でも、ジュリアスは、世界の反対側にいくための穴を掘っているので、食事にはこれません。そこでトラウトベックの奥さんは、「子ヒツジのキャセロールと皮つきのジャガイモと、バターをのせブロッコリと食後のローリーポーリー・プティング」を、穴を掘っているジュリアスにもっていってやります──。
食事のメニューがくり返される、楽しい一冊です。トラウトベックさんや奥さんが食事をはこぶ場面では、なぜかネコやウシやハゲワシがついてきます。そして、見開き一面で、うちをつくったり、穴を掘ったり、ピラミッドに登ったりしているジュリアスの食事を、ひと口せしめていきます。見開きには、ジュリアスの空想がえがかれているのですが、そこに食事が置かれているのが可笑しいところです。このあと、トラウトベックさんと奥さんは、アフリカやロシアのどこかやチベットの近くの山の頂上にいるジュリアスに、いろんな食事を届けます。本書の冒頭には、とにかくたくさんでてくる料理の説明が載せられています。小学校低学年向き。
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