「もこもこもこ」(谷川俊太郎/作 元永定正/絵 文研出版 1977)
《しーん
もこ
もこもこ にょき
もこもこもこ にょきにょき
ぱく
もくもぐ
つん
ぽろり》
文章は擬音だけ。なので、こうやって引用しても、なにがなんだかわかりません。絵は、どんな画材をつかっているのか。大変鮮やかで、めりはりがあります。まず、しーんとしている紫の地平線が、もこっとふくらみます。“もこ”はどんどん大きくなり、そのとなりににょきっと別のふくらみがあらわれます。“もこ”はもこもこ、“にょき”はにょきにょきと大きくなりますが、大きくなった“もこ”は、“にょき”をぱくっと食べてしまいます。すると、“もこ”のからだに、つんとこぶができ、それがぽろりと下に落ちます…。こう説明しても、やはり本書の面白さはつたわりません。世の中には、とにかく読まなければわからない本というのがあって、さしずめこの本はその筆頭といえるでしょう。1977に出版された、ロングセラーです。幼児向き。
0 件のコメント:
コメントを投稿