「木はいいなあ」(ジャニス・メイ・ユードリイ/文 マーク・シーモント/絵 さいおんじさちこ/訳 偕成社 1977)
《木が たくさん あるのは いいなあ。
木が そらを かくしているよ。
木は 川べりにも たにそこにも はえる。
おかの うえにも はえる。
木が たくさん はえると、森になる。
森は いつも いきいき している。
たった 一ぽんでも、木が あるのは いいなあ。
木には はっぱが ついている。
はっぱは なつじゅう、そよかぜの なかで、
ひゅる ひゅる ひゅるーっと、くちぶえを ふいているよ。》
タイトル通り、「木はいいなあ」ということを語った絵本です。原題は「A TREE IS NICE」。タテに長い絵本で、カラーと白黒が交互にくる構成です。カラーは大変鮮やかで、生き生きとした線でえがかれた親しみやすい水彩が、さまざまな光景をみせてくれます。木はいいなあ、枝にすわってじっと考えることもできるし、海賊ごっこもできる。リンゴの木だったら木に登ってリンゴをとる。棒切れも木からとれる。棒切れで砂に絵を描くんだ…と、木の賛歌はまだまだ続きます。「こんなにはっきり作品の意図を素直に表している絵本の文は珍しいと思います。そのままついていっただけで、この絵を描くことができました」と、ユードリイの文章について、マーク・シーモントはカバー袖にある文章のなかで述べています。1957年度コールデコット賞受賞。小学校低学年向き。
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