2012年8月20日月曜日

月へ










「月へ」(ブライアン・フロッカ/作 日暮雅通/訳 偕成社 2012)

アメリカのフロリダ州。3人の男たちは、特別にあつらえた服にぴったりと身を包み、重い手袋をつけ、大きな丸いヘルメットをかぶりました。すべてがうまくいけば、これから一週間になる旅にでかけるのです。

3人の乗る小さな宇宙船の名は、司令船コロンビアと、月着陸船イーグル。ロケットの名はサターン5型。30階建てのビルと同じ高さで、重さは3000トン。宇宙飛行士たちは、コロンビアのシートに空を見上げるように、仰向けになって横たわります。船長のニール・アームストロングが左、司令船パイロット、マイケル・コリンズが右、月着陸船パイロット、バズ・オルドリンが真ん中です。

発射台の近くには、発射管制センターがあり、遠くヒューストンには飛行管制センターがあります。ロケットや宇宙船のあらゆる部分をチェックしたデータが送られ、続行か中止かの声がかかります。「続行」「続行」「続行」。データをみつめるひとたちは、次つぎにこたえます。アポロ11号、発射準備完了──。

はじめて人類が月に降り立った、アポロ11号についての絵本です。副題は「アポロ11号のはるかな旅」。絵は、線画に水彩で着色した、具体的で親しみやすいもの。このあと、発射されたサターン5型は、1段ロケット、2段ロケットを切り離しながら飛び続け、ぶじ地球周回軌道にのります。そして、司令支援船と月着陸船をドッキングさせ、月へむかって旅立ちます。前の見開きには、絵をつかったアポロ11号の旅についての細かい説明が、また後ろの見開きには、文章によるアポロ計画全体の解説が載せられています。月へむかうアポロ11号の旅が迫力と臨場感をもってえがかれています。小学校高学年向き。

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