「サンタクロースのおくりもの」(E・クラーク/作 J・オームロッド/絵 戸田早紀/訳 金の星社 1994)
クリスマスイブの夜、年老いたロバが森に向かって歩いていました。森のなかには、雨や風がしのげる小さなほら穴があると聞いていました。クリスマスイブだというのに、さびしくてたまらないロバは、悲しそうに長い長い鳴き声をあげました。
教会の時計が12時を打ちはじめたとき、ロバは鈴の音とひづめの音が大空を渡っていくのを耳にします。それから、毛皮のコートを着て重い荷物をかついだひとがあらわれます。「わたしはサンタのおじさんとも、サンタクロースとも呼ばれているよ」と、そのひとはロバに話しかけます──。
クリスマス絵本の1冊です。絵は、ときおりコマ割りされる、線画に彩色したもの。銀色に光る塗料がつかわれていて、それが夜の感じをうまくかもしだしています。このあと、ロバはサンタクロースにつきあい、背中に荷物をのせて、幸せな気持ちで丘をのぼり、一軒の家にたどり着きます。そして最後に、サンタクロースがロバに贈ったものがなんだったかのかがわかります。小学校中学年向き。
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