「太陽へとぶ矢」(ジェラルド・マクダーモット/作 じんぐうてるお/訳 ほるぷ出版 1978)
昔、太陽の神は、ほとばしる命のちからを1本の矢に変えて、大地に向かって飛ばしました。命の矢は、ある村のひとりの娘に当たり、娘は男の子を産みました。男の子はすくすく育ちましたが、村のほかの子どもたちは、父親のいない男の子を、「やあい、親なし子!」と追いたてました。そこで、ある日男の子は、「ぼくはお父さんをさがしにいく」とお母さんにいって、広い世の中にでかけていきました。
さて、男の子はまずトウモロコシづくりに出会いますが、トウモロコシづくりは畑の世話をするばかりで、返事をしてくれません。次に、ツボづくりのところへいきますが、ツボづくりは粘土をこねるばかりで返事をしてくれません。それから、矢づくりのところにいきますが、矢づくりも返事をしてくれません。でも、矢づくりは賢い年寄りだったので、男の子が太陽の神の息子だと気づきます──。
カバー袖の文章によれば、アメリカのプエブロインディアンの神話をもとにした絵本です。絵は、非常に様式化されたもの。太陽についての物語らしく、黄色の背景が鮮やかです。このあと、矢づくりは、男の子を矢に変えて太陽に飛ばします。男の子は太陽の神と出会いますが、太陽の神は、「おまえがほんとうに私の息子かどうか、まだわからないぞ」と、息子に試練を下します…。1975年度コールデコット賞受賞。小学校中学年向き。
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