2012年8月27日月曜日

赤ずきん










「赤ずきん」(グリム/著 フェリクス・ホフマン/絵 大塚勇三/訳 福音館書店 2012)

昔、あるところに小さなかわいい女の子がいました。あるとき、おばあさんは、この子に赤いビロードのずきんをやりました。そのずきんはとてもよく似合うので、女の子はいつもそれをかぶっていました。そこで、みんなは、この子のことを赤ずきんと呼びました。

さて、ある日、お母さんが赤ずきんにお使いを頼みます。「ちょっとおいで赤ずきん。このお菓子とブドウ酒のびんを、おばあさんのうちまで届けてちょうだい。おばあさんは病気で弱っていらっしゃるから、これで元気づけてあげるのよ」。そして、赤ずきんは村から30分くらいかかる森のなかにある、おばあさんの家にむかうのですが──。

「おおかみと七ひきのこやぎ」などで名高い、ホフマンによる絵本です。冒頭の文章によれば、この絵本は、ホフマンがはじめての女の子の孫スザンヌのために、1973年に制作した手稿絵本をもとに、「グリム童話2」(ホフマン/編・画 大塚勇三/訳 福音館書店)の文章によって、再構成したものだとのこと。もともとが手稿絵本のためか、絵は一見下書きのようで、完成度は高くありません。ですが、「ホフマンはこの場面をこんな風に絵にしたのか」と、興味深く読める一冊になっています。小学校中学年向き。

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