2012年4月2日月曜日

はたらきもののじょせつしゃけいてぃー











「はたらきもののじょせつしゃけいてぃー」(バージニア・リー・バートン/作 いしいももこ/訳 福音館書店 1987)

けいてぃーは、キャタピラのついている、赤い立派なトラクターでした。いろんな部分品をつけると、ブルトーザーになったり、除雪車になったりしました。ジェオポリスという町の道路管理部ではたらいていて、夏のあいだはブルトーザーになって道を直し、冬になり、雪が降ると、部品をとりかえ除雪車となりました。

冬、雪が降りはじめましたが、まだ少しなので、けいてぃーの出番にはなりません。でも、ある日、とうとう大雪が降り、けいてぃーの出番がやってきます。出動したけいてぃーは、雪の下に埋もれたジェオポリスの町を、どんどんかき分けていきます──。

「ちいさいおうち」で名高いバートンによる絵本です。本書もまた古典として知られています。作中、ジェオポリスの地図やトラクターの種類などが細ごまえがかれていて、みているだけで楽しくなります。町のひとたちは、みんなけいてぃーを頼りにしていて、警察も郵便屋さんも消防署も、「頼みます!」というと、けいてぃーは「わたしについてらっしゃい」とこたえます。物語はこびも、レイアウトも非常に工夫され、見所が満載。くたびれても仕事を投げださない、はたらきもののけいてぃーに感心することうけあいの一冊です。小学校低学年向き。

余談ですが、けいてぃーは原文では“She”がつかわれています。「マイク・マリガンとスチーム・ショベル」にでてくる、スチーム・ショベルのメアリーアンも“She”ですし、「いたずらきかんしゃちゅうちゅう」のちゅうちゅうも“She”がつかわれているので、女の子のようです。

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