2012年4月10日火曜日

くいしんぼうのはなこさん











「くいしんぼうのはなこさん」(いしいももこ/文 なかたにちよこ/絵 福音館書店 1979)

ある日、お百姓の家に子ウシが生まれました。顔の真ん中に鼻がにゅっと突きでていたので、家のひとたちは、はなこという名前をつけました。

はなこはとてもわがままで、干し草をやれば干し草はいや、トウモロコシをやれば青いクローバーがほしいといいます。春になり、牧場に連れていかれたはなこは、ほかの子ウシたちと一緒にされます。「これで、はなこも大勢の友だちとつきあって少しはわがままも直るだろう」と、お百姓は思うのですが──。

絵は油絵でしょうか。ウシの造形が大変みごとです。このあと、子ウシたちはチャンバラをはじめ、はなこはそれに勝ち抜いて牧場の女王になります。おかげで、はなこはさらにわがままになるのですが、ある日おイモとカボチャを食べすぎて…とお話は続きます。石井桃子さんの落ち着いた語り口と、色鮮やかな絵が楽しい一冊です。小学校低学年向き。

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