「ナスレディンのはなし」(八百板洋子/再話 佐々木マキ/絵 福音館書店 2012)
トルコのとんち話の主人公、ナスレディン・ホジャのお話をもとにした絵本です。本書には、「ナスレディンと裁判官」「ナスレディンのおいのり」「スイカとクルミ」「ロバになった男」の4話が収録されています。このなかから、「スイカとクルミ」をみてみましょう。
暑い夏の日、ナスレディンは荷車を引いて歩いていました。途中でくたびれたので、スイカ畑のそばのクルミの木下で休みました。ナスレディンは、足もとのスイカをっみながらひとりごとをいいました。「それにしても、アラーの神もどうかしておられる。大きなスイカがこんな細い茎になるのに、小さなクルミがこんな大きな木になるなんて。ふつう、大きな木には大きな実がなるものだろうに」。すると、さーっと風が吹き、クルミの実がナスレディンの頭に落ちました。
頭をさすった頭をさすったナレスディンは、アラーの神の真意を悟ります──。
文章はタテ書き。八百板洋子さんによる再話は、すばらしくこなれています。佐々木マキさんのユーモラスな絵とあいまって、非常に楽しい低学年向きの読物絵本になっています。小学校低学年向き。
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