「はちうえはぼくにまかせて」(ジーン・ジオン/文 マーガレット・ブロイ・グレアム/絵 もりひさし/訳 ペンギン社)
トミーは、旅行をするひとの鉢植えをあずかって、世話をすることにしました。おかげで、家中は鉢植えだらけ。お父さんは帰ってくるなり植木鉢にけつまずいて怒鳴りました。「こんなくだらないもの、いっぱいならべたのはだれだい?」「うちでは夏休みにどこにもいかないから、なんでも好きなことをやっていいっていったでしょ。それで、ぼく、鉢植えをあずかることにしたんだ。植木鉢1個で、1日2セントだよ」
トミーは鉢植えの世話が上手です。日陰の好きな鉢植えは日陰に、日なたの好きな鉢植えは日なたに置いてやります。一週間がたち、二週間がすぎると、鉢植えはどんどん伸びて、からまりあって、うちのなかはジャングルのようになり──。
「どろんこハリー」の作者として高名なグレアム夫妻による絵本です。このあと、植物が育ちすぎて家がこわれてしまう夢をみたトミーは、図書館で園芸の本を読み、せっせと鉢植えを刈りこみます。そして、休みが終わるころ、鉢植えを受けとりにやってきた近所のひとたちは、だれもが、「まえより素敵になってる」と喜んで帰っていきます。最後に、文句ばかりいっていたお父さんが、洒落たオチをつけてくれます。小学校低学年向き。
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