「じぶんだけのいろ」(レオ=レオニ/作 谷川俊太郎/訳 好学社 1978)
オウムは緑、金魚は赤、ゾウは灰色、ブタは桃色、動物たちにはそれぞれ自分の色があります。でも、カメレオンだけは別。いく先ざきで色が変わります。ある日、自分だけの色をほしいと思っていた一匹のカメレオンがいいました。「もし、ずうっと葉っぱの上で暮らしたら、いつまでも緑色。ぼくも自分の色がもてるってわけだ」
カメレオンは一番緑色の葉っぱによじ登ります。でも、秋になると葉っぱは黄色になり、秋が深まると赤になり、冬がくると葉っぱもカメレオンも吹きとばされてしまいます──。
自分の色をもちたいと思ったカメレオンのお話です。レオ=レオニの絵本は非常にシンプルですが、テーマをみごとに表現しています。また、自分の色をもちたいと思ったカメレオンの解決法は大変ユニークです。「ごちゃまぜカメレオン」や「ストライプ」(デヴィッド・シャノン/作 清水奈緒子/訳 セーラー出版 1999)とも、その解決法はちがっています。小学校低学年向き。