「おばけのジョージー」(ロバート・ブライト/作 光吉夏弥/訳 福音館書店 1978)
ニューイングランドの小さな村にホイッティカーさんの家がありました。この小さな家の小さな屋根裏部屋に、ジョージーというおばけが住んでいました。ジョージーは、毎晩同じ時間に、階段をみしりといわせ、広間のドアをぎーといわせました。すると、ホイッティカーさんと奥さんには、もう寝る時間だとわかり、猫のハーマンにはネズミを探しまわる時間だとわかり、フクロウのオリバーには、目をさまして、ほーほーと鳴く時間だとわかりました。
ところが、ある日、ホイッティカーさんはふと思い立って、階段のゆるんだ板にクギを打ち、広間のドアの蝶番に油をさします。すると、階段はみしみしいわなくなり、ドアはぎーといわなくなるのですが、おかげでみんなは時間がわからなくなってしまいます。そして、ジョージーは、もっとおばけが住むのにふさわしい家を探しにでかけるのですが──。
巻末の文章によれば、本書は1944年、作者の娘と息子のために描かれたそうです。絵は、さっと描かれた描線が味わい深い、白黒のもの。このあと、ジョージーは村中でただ一軒おばけの住んでいない、クロームズさんの家にいくのですが、そこはとても気味の悪い家で…と、物語は進みます。怖がりのおばけが可愛らしい1冊です。なお、「おばけのジョージー」シリーズは、絵本ではなく読物として、何冊か徳間書店から出版されています。小学校低学年向き。
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