「かさじぞう」(瀬田貞二/再話 赤羽末吉/絵 福音館書店 1966)
昔、あるところに貧乏なじいさんとばあさんがいました。じいさんは毎日、編み笠をこしらえては、それを売って暮らしていました。ある年の大晦日、笠を5つこしらえたじいさんは、正月のもちを買いに町へでかけました。ところが、笠はひとつも売れませんでした。
帰り道、吹雪にさらされたお地蔵さまを見かけたじいさまは、お地蔵さまに、売れなかった笠をすべてかぶせます。すると、笠がひとつ足りなくなったので、最後のお地蔵さまには、自分のかぶっていた笠をぬいでかぶせます──。
ご存知、かさ地蔵のお話です。見開きに扇形の画面がつくられ、そこに絵が描かれています。文章はタテ書き。方言がかった言葉がつかわれています。本書は、赤羽末吉さんがはじめて手がけた絵本でもあります。赤羽さんは、このとき50歳でした。小学校低学年向き。
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