「ボルカ」(ジョン・バーニンガム/作 きじまはじめ/訳 ほるぷ出版 1993)
昔むかし、ポッテリピョンという名前の、夫婦のガチョウがいました。春になると、イギリスに東海岸の荒れ果てた沼地にもどってきて、巣を手入れし、タマゴを生みました。ある晴れた春の日、6羽のヒナがかえりました。そのうちの1羽、ボルカには、羽がまるで生えていませんでした。
心配になったポッテリピョン夫婦は、小さな革カバンをもったお医者さんガチョウを呼んできます。でも、羽がないというほか、ボルカにはどこも悪いところはありません。お医者さんガチョウにすすめられ、お母さんはボルカのために、羽に似た灰色の編みものを編んでやります。
、「ガンビーさんのふなあそび」や「ひみつだから!」などで名高い、ジョン・バーニンガムによる絵本です。本書は、バーニンガムの処女作。羽のないガチョウのボルカが、自分の居場所をみつけるというお話です。さて、ほかのヒナが飛んだり泳いだりできるようになっても、ボルカはそれらのことができません。秋がきて、仲間たちが暖かい場所めざして旅立つと、ボルカはひとりぼっちになってしまいます。とにかく乾いたところをみつけようと、入り江にいる船に乗りこんだボルカは、そこでイヌのファウラーや、マッカリスター船長と出会ってロンドンにいくことになり…。1964年度ケイト・グリーナウェイ賞受賞。小学校中学年向き。
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