「もしゃもしゃちゃん」(マレーク・ベロニカ/作 みやこうせい/訳 福音館書店 2005)
もしゃもしゃちゃんは、本当はマリカといいました。でも、髪をとかさず、歯も磨かず、お風呂にも入らないマリカのことを、みんなはもしゃもしゃちゃんと呼んでいました。ある日、みんなで仮装パーティーをすることになり、なりたいものの絵を描くことになりました。もしゃもしゃちゃんが妖精の絵を描くと、みんなは大笑いしました。「きみが妖精? 髪の毛がもしゃもしゃのくせに!」
悲しくなって、森へでかけたもしゃもしゃちゃんは、折れた木をハンカチで結んでやり、水に落ちたテントウムシを助けてやり、巣から落ちたヒナを巣にもどしてやります。それから、草の上に寝ころんで泣いていると、ハリネズミのミシュレがやってきて、もしゃもしゃちゃんを仲間のところに連れていき──。
「ラチとライオン」で名高い、マーク・ベロニカによる絵本です。絵は、デザイン性の高いシンプルで可愛らしいもの。さて、このあと、ハリネズミたちはもしゃもしゃちゃんをなぐさめようとするのですが、うまくいきません。そこで、ミシュレはほかの子たちに会いにいき、子どもたちの書いた手紙をもしゃもしゃちゃんに届けます。前半の伏線が、後半の仮装の場面で見事に生かされています。小学校低学年向き。
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