「わたしのきもちをきいて1 家出」(ガブリエル・バンサン/作 もりひさし/訳 BL出版 1998)
女の子は、「この家をでていこう」と思います。紙とペン、糸と針、貯金箱をバックに入れて、町を抜け、森をめざします。荒れた道を歩きながら、女の子は自問します。どうして、わたしの話を聞こうとしないの。ママもパパもいままでなにも気づいていなかったのかしら。いつしか、森のなかの水辺にたどり着いた女の子はこう思います。「ママとパパに、わたしの話たいことみんな書こう」──。
「アンジュール」や「おてがみです」などで名高い、ガブリエル・バンサンによる絵本です。絵は淡彩。文章は女の子による〈わたし〉の1人称。大きな景色のなかをゆく女の子の小さな姿が、その心情をよくあらわしています。このあと、女の子は森のなかで迷子になってしまうのですが…とお話は続きます。続編の「わたしのきもちをきいて2 手紙」では、パパとママに渡す手紙を書くために、女の子は手紙を書く場所をさがして広いお屋敷の庭に入りこみます。大人向き。
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