「きつねとねずみ」(ビアンキ/作 山田三郎/絵 内田莉莎子/訳 福音館書店 1979)
キツネがネズミのところにやってきます。
「おい、ネズミ。ネズミ。鼻がどろんこ。どうしたんだい?」
「「地面を掘ったのさ」
「なんだって地面を掘ったんだい?」
「巣穴をつくったのさ」
「なんだって巣穴をつくったんだい?」
「キツネさん。あんたから隠れるためさ」
ネズミの一家が、キツネからうまく逃げ出すお話です。絵は、写実的で、かつ愛嬌のあるもの。キツネがあたりをものほしげにうかがいながら近づいてくる様子が、目にみえるようにえがかれています。タテ書きの文章は詩のよう。冒頭を引用してみましょう。
〈きつねの
だんなが、
やってきた。
じろ。
じろ。
じろ。
なにか
いいこと
ないかなあ。〉
お話会などでもよくつかわれる、もはや古典となった定番絵本の一冊です。小学校低学年向き。
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