2012年6月13日水曜日

みつけたものとさわったもの











「みつけたものとさわったもの」(ウィル/作 ニコラス/作 晴海耕平/訳 童話館出版 1997)

ナップとウィンクルという2匹の犬が、庭で穴を掘っていました。2匹は休まず掘り続け、とうとう1本の骨をみつけました。「この骨はぼくのだよ。ぼくが最初にみつけたんだからね」とナップがいうと、「この骨はぼくのだよ。ぼくが最初にさわったんだから」とウィンクルはいいました。そこで、2匹は骨はどちらのものか、通りがかった農夫に訊いてみることにしました。

ちょうど荷車がぬかるみにはまりこんでしまった農夫は、ナップとウィンクルにこういいます。「荷車をぬかるみから引き出すのに手をかしてくれないか。そうしたら考えてあげるよ」。そこで、2匹は農夫を手伝って、荷車を引き出すのですが、すると農夫は「骨のことなど知ったことか」と、2匹の前に干し草を放りだしていってしまいます。そこへ、こんどはヤギがやってきたので、2匹はヤギに訊いてみることにするのですが──。

絵は、白、黒、赤、茶の4色で表現された版画風のもの。絵と同じように、お話も明快です。このあと、2匹は床屋と大きな犬にたずねるのですが、またもや骨折り損になってしまいます。ですが、最後、2匹は力をあわせます。絵もお話もよく整った、出来映えのよい一冊です。小学校低学年向き。

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