「すばらしい季節」(ターシャ・チューダー/作 末盛千枝子/訳 すえもりブックス 2000)
農場に住んでいるサリーは、冬から春へ、夏から秋へ季節が変わっていくとき、自分のからっだ全部をつかって、それをたしかめます。ある日、小さなクロッカスの花をみつけたら、もう春です。小鳥の歌が聞こえ、小川の流れる音が聞こえ、池からはカエルの声が聞こえます。水仙の花と黒い土からは春の匂いがします。小さな子ネコを抱っこするのは、春の楽しみです──。
アメリカ、ヴァーモンド州での豊かな農場生活で名高いターシャ・チューダーによる絵本です。作者は、季節の移り変わりが五感にもたらす喜びを、主人公のサリーを通して、次つぎと教えてくれます。野バラは夏の匂い、ドングリをあつめるのは秋の楽しみ、冬には冷たい空気の匂いとたきぎの燃える匂い…。絵は水彩。サリーの小さな女の子らしいしぐさが、よくえがかれています。小学校高学年向き。
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