2011年11月30日水曜日

子リスのアール












「子リスのアール」(ドン・フリーマン/作 やましたはるお/訳 BL出版 2006)

秋の朝早く、灰色リスのお母さんは、小さい息子に話しかけました。「ねえ、アール。そろそろおまえも外にでて、自分の手でドングリをみつけることをおぼえるときだよ」。そこで、アールはジルという名前の、人間の女の子のところにいきました。すると、ジルはアールに、ドングリとクルミ割り器をくれました。

さて、アールが巣穴にもどると、お母さんはこういいます。「リスのくせにクルミ割り器がいるなんて聞いたことある? ドングリもジルがくれたのよね。あの娘は、おまえを世界一だめなリスにする気なのよ!」。アールはジルにクルミ割り器を返しにいき、こんどは赤いスカーフをもらってきます。そして、ドングリをさがしに、夜、ひとりでそっと巣穴を抜けだします──。

「くまのコールテンくん」などで名高いドン・フリーマンの絵本です。絵は、版画風の(版画?)白黒のもの。スカーフだけに赤がつかわれています。アールのドングリさがしは、なかなかうまくいかないのですが、途中出会ったフクロウに、雄ウシのいるナラの木を教えてもらい、赤いスカーフのおかげで、みごとドングリを手に入れます。すべてが思いがけなく進んでいくストーリーが大変楽しい一冊です。小学校中学年向き。

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