「そんなときなんていう?」(セシル・ジョスリン/文 モーリス・センダック/絵 たにかわしゅんたろう/訳 岩波書店 1979)
《まちの まんなかで ひとりの しんしが、
みんなに あかちゃんぞうを あげている。
いつも ほしいと おもっていたから、
きみも いっとう うちへ もってかえりたい。
でも、まず しんしは きみを あかちゃんぞうに
しょうかいする。
そんなとき なんていう?》
《おしろの そとで たんぽぽと おだまきそうを
つんでいると、とつぜん おそろしい りゅうが
あらわれて、あかい けむりを ふきかけた。
ところが ちょうど そのとき ゆうかんな
きしが かけつけ、りゅうの くびを ちょんぎった。
そんなとき、なんていう?》
本書の冒頭にこうあります。
《わかき しんし
しゅくじょの ための
れいぎさほうの ほん》
この言葉どおり、本書は、こういう場合どんな風にこたえればいいかを説いた礼儀作法の本です。引用したような、ナンセンスなシチュエーションをえがいたページをめくると、若き紳士淑女が芝居気たっぷりに、「はじめまして」とか「どうもありがとう」とか返事をします。ほかにも、カウボーイに銃を突きつけられたときや、道ばたでワニを踏んづけたとき、飛行機に乗っていて、ひとのうちの屋根に穴を開けてしまったときなどの答えかたが紹介されています。次つぎとあらわれる、ありえない状況と、礼儀正しい受け答えが楽しい一冊です。小学校低学年向き。
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