2011年11月4日金曜日

ねこのホレイショ











「ねこのホレイショ」(エリナー・クライマー/文 ロバート・クァッケンブッシュ/絵 阿部公子/訳 こぐま社 1999)

ネコのホレイショは、しま模様のおじさんネコで、ちょっと太りぎみでした。抱かれるのは嫌いでしたし、うれしいときもめったにのどをゴロゴロ鳴らしませんでした。ホレイショはケイシーさんという女のひとと一緒に、通りに面したレンガづくりの家で暮らしていました。ケイシーさんは、親切すぎるくらい親切なひとで、雨が降ったある日、宿なしの子イヌを家に入れ、そのままおいてやることにしました。ケイシーさんはホレイショに、「きっとおまえのいいお友だちになるわよ」といいましたが、ホレイショはお友だちなんかほしくありませんでした。

その後、お隣りが留守のあいだ、ケイシーさんはウサギも預かってしまいます。さらに、翼の折れたハトがきて、マイケルとベッキーという隣の子どもたちが遊びにきます。とうとう、ホレイショは、もううんざりだと思って家をでてしまうのですが──。

おじさんネコ、ホレイショのお話です。絵は、リノリウム版画でえがかれた、緑とオレンジを基調とした、シンプルで味わい深いもの。このあと、家出をしたホレイショは、2匹の子ネコに出会います。あっちにいけと追い立ててもついてくる子ネコたちの面倒を、ホレイショはしぶしぶみるのですが、ほかに世話をしてくれるひとはいないかと考えて、ケイシーさんのことを思いだします。18×13.5センチと、手のひらサイズの楽しい読物絵本です。小学校低学年向き。

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