2011年11月18日金曜日

いっすんぼうし











「いっすんぼうし」(いしいももこ/文 あきのふく/絵 福音館書店 1980)

昔、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。2人には子どもがありませんでしたので、それをなによりもさびしく思っていました。そこで、おじいさんとおばあさんは、「手の指ほどの小さい子どもでもひとりあったら、どんなによかろう」と話しあい、お天道様をおがんでは、「どうぞ子どもをおさずけください」とお願いしました。

すると、そのうち、おばあさんのお腹が痛くなって、赤ん坊が生まれました。ところが、その男の子は小さくて、手の指ほどしかありません。おじいさんとおばあさんは驚きましたが、これもお天道様のおぼしめしであろうと、赤ん坊を一寸法師と名づけ、可愛がって育てます──。

ご存知、一寸法師のお話です。石井桃子さんと秋野不矩さんによる仕事は、素晴らしい仕上がりです。このあと、12、3になっても小さいままの一寸法師に、おじいさんとおばあさんはがっかりますし、村の子どもたちは「ちび、ちび」といって、馬鹿にするようになります。そこで、一寸法師はみやこにでることを決意して…と物語は続きます。表紙の絵は、おそらくまだマゲを結うまえの一寸法師でしょう。小学校低学年向き。

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