「がちょうのペチューニア」(ロジャー・デュボワザン/作 まつおかきょうこ/訳 富山房 1999)
ある朝早く、ぶらぶらと草地を歩いていたペチューニアは、1冊の本が落ちているのをみつけました。本をもっていると賢くなると思ったペチューニアは、その本を拾って帰りました。そして、眠るときも泳ぐときも一緒にすごし、自分はとても賢いのだと思いこみ、大変得意になりました。あんまり得意になったので、首がどんどん長くなるほどでした。
ペチューニアがあんまり賢そうにみえるので、ほかの動物たちは、困ったことがあると、ペチューニアに相談するようになります。また、頼まれていなくても、ペチューニアは意見をいうようになります。ある日、雌牛のクローバーが、オンドリのキングに、「あんたのトサカはなぜそんなに赤いの?」というと、ペチューニアはこういいます。「あんたのトサカは、お百姓がメンドリと区別するためにさしこんだのよ」。おかげで、キングはコケコッコーと鳴くとき、けっして頭を振らなくなってしまいます。かわいそうなキング!──。
自分は賢いとうぬぼれた、ガチョウのペチューニアのお話です。このあと、メンドリにヒヨコの数をかぞえてほしいといわれたペチューニアは、9羽のところを6羽と数え、「6は9よりずっと多いんです」といってメンドリを混乱させたり、ウサギの穴に頭を突っこんで抜けなくなってしまった犬のノイジーを煙でいぶしたりします。、むりやり頭を引っ張りだしたノイジーは、かわいそうに、耳を切ったり、鼻を焦がしたりするはめに…。もちろん物語の最後では、ペチューニアの賢さは(文字通り)吹き飛ばされます。小学校低学年向き。
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