「うちのなまくらさん」(ポール・ジェラティ/作 せなあいこ/訳 評論社 1992)
うちのネコのごろすけは、いつだって寝てばかり。だから、ごろすけっって呼ばれるの。晩ごはんにも帰ってこないし、帰ってきても食べないでごろごろ。外でなにをしているのか知らないけれど、よくびしょ濡れでもどってくる。きっと、雨宿りするのも面倒なのね──。
女の子の語りによる絵本です。文章の応答が絵のなかでされていて、たとえば、ごろすけがびしょ濡れでもどってくる場面では、犬に追いつめられた子ネコを助けて、水のなかを泳ぐごろすけの姿がえがかれます。よくびしょ濡れでもどってくるのは、雨宿りが面倒だからではなかったというわけです。
ポール・ジェラティは、非常に写実的な水彩画を描くひとで、ストーリーもそれに応じたシリアスなものが多いのですが、この可愛らしい絵本ではいつもよりディフォルメのきいた絵をえがいています。小学校低学年向き。
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