「すてきな三にんぐみ」(トミー=アンゲラー/作 いまえよしとも/訳 偕成社 1991)
黒いマントに黒い帽子をかぶった3人組は泥棒でした。夜になると山を降り、目つぶしのコショウ吹きつけで馬車をとめ、真っ赤な大まさかりで車輪をまっぷたつにし、ラッパ銃で脅して、乗客からお宝を奪いました。そして、奪ったお宝は、山のてっぺんにある隠れ家にすべてはこびこみました。
さて、ある夜のこと、いつものように馬車を襲った3人組でしたが、そのときの乗客はティファニーちゃんだけ。獲物はなんにもなかったので、3人組はティファニーちゃんを大事にかかえ、隠れ家へはこびます──。
すでに古典となった、お話会の定番絵本です。子どもたちに読んでみると、最初はちょっと怖い雰囲気があるのか、そわそわと落ち着かない様子をみせます。物語はこのあと、ティファニーちゃんが隠れ家のお宝をみつけ、「まあぁ、これ、どうするの?」といったことから、どうするつもりもなかった3人組は額をあつめて相談して…と続きます。ウンゲラーによる3人組の造形は、シンプルでじつに秀逸。今江祥智さんによる訳も調子がよく、素晴らしい一冊となっています。小学校低学年向き。
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