「アデレード そらとぶカンガルーのおはなし」(トミー・ウンゲラー/作 池内紀/訳 ほるぷ出版 2010)
カンガルーのアデレードには、生まれたときから背中に翼がついていました。大きくなると、背中の翼も大きくなって、やがて空を飛べるようになりました。ある日、パパとママにお別れのキスをしたアデレードは、飛び立つと、飛行機の後ろについていき、いろんな国をみてまわりました。
パリに着いたアデレードはここで旅を打ち切ることにします。お金がなくて困っていたところ、親切な紳士のマリウスさんに助けられ、マリウスさんの経営する劇場で舞台に立つことになります。カンガルーの友だちがいないことだけ、ちょっぴりさみしいと思っていたアデレードでしたが、そんなある日、ビルの火事に出くわします──。
空飛ぶカンガルー、アデレードのお話です。普通のカンガルーとはちょっとちがうアデレードの、波瀾万丈な、それでいて平凡な半生が、テンポよく語られます。この軽快さはウンゲラーのもち味といえるでしょうか。小学校低学年向き。
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