「10までかぞえられるこやぎ」(アルフ・プリョイセン/作 山内清子/訳 林明子/絵 福音館書店 1991)
ある日、子ヤギが数を10まで数えられるようになりました。子ヤギは水たまりに写る自分の姿をじっとみつめ、「ひとつ」と数えました。通りかかった子牛が「なにをしているの?」と訊くと、「数をかぞえているの。きみも数えてあげようか」といいました。「母さんに聞いてからにするよ」と、子牛が歩きだすと、子ヤギは子牛をあとをついていって、「ぼくでひとつ、きみでふたつ、1、2」と数えました。すると、子牛は「モー」といって泣きだしてしまいました。
子牛の泣き声を聞いて母さん牛がやってきます。が、子ヤギは母さん牛のことも数えます。すると、母さん牛は怒って子牛と一緒に子ヤギを追いかけます。このあと、父さん牛や馬やブタが、数えられたことに怒って子ヤギを追いかけて──。
10まで数えられる子ヤギの活躍をえがいた、愛嬌のある一冊です。作者のプリョイセンはノルウェーのひと。「スプーンおばさん」の作者として高名です。林明子さんのえがく絵は、水彩と色鉛筆でえがかれたものでしょうか。ともかく大変な完成度です。舞台は、どことなくスイスのような山地を想像させます。小学校低学年向き。
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